海岸山脈はフィリピンの火山島に押されて盛り上がったところで、岩層は安山岩、礫石層と砂頁岩が主で、さらに火山灰が堆積してできた白い凝灰岩から成ります。長い年月の間、強い風と波にさらされて海岸の岩が凹んだり、壺穴や岩棚などの地形を形成しています。
花蓮は季節風と太平洋サイクロンの影響で、年間降雨量が約2千ミリとかなり多く、雨季が260日以上も続く雨の多い気候です。夏は午後に夕立や豪雨がよく見られ、冬でも花蓮では雨不足はありません。海抜の高い地域は雪が降ることもあり、毎回多くの人々が雪を見るために山に登ります。
7、8月は太平洋熱帯低気圧がフィリピン沖で発達して台風となることが多く、台湾東部は最初に直撃を受けるため、花蓮の夏はよく暴風雨に見舞われます。西部は中央山脈があるため、影響が比較的小さくなります。
黒潮は太平洋還流の中でも独特の海流で、熱帯の温暖な海水が東アジアの島々に沿って流れ、寒冷な北極区域にまで達しています。不純物と栄養塩が比較的少ないため太陽光の反射が少なく、海面が黒く見えるので「黒潮」と言われます。
花蓮の地質は第三系の変成岩からなる中央山脈東側が主で、中でも一番有名なのが「清水断崖」です。清水断崖は東岸の一大奇景で、ほぼ大理岩と片麻岩からなり、固くしっかりした雄大な垂直地形を作り出しています。
太魯閣は変成岩からなる台湾で最も古い岩石で、幾度もの造山運動を経て、道沿いは全てしわのある岩層・葉理となっています。くねくね曲がる九曲洞の中からは、両側が壮大な太魯閣を望めます。高い所から見下ろすと、立霧渓の川床が大理岩に入り込んでV字峡谷を形成しているのが見えることができ、非常に壮観でございます。
花東縦谷はプレートの境界にあり、河川は中央山脈と海岸山脈の東西に分かれ、縦横に流れる形となっています。土砂が上流、中流から下流へと運ばれて河口に堆積し、大小の河川の作用によって、元々の谷に広大な扇状地がつくられました。
花蓮は充分な日照があり、年日照時間は1,280時間で、5月から9月の夏の時期が長く、2月が最低となっています。8月の日照率は50%以上なので、花蓮に来る際は紫外線リスクを減らすため、しっかりとした日焼け対策を忘れないでください。こうした環境は農作物の栽培に非常に適しており、蒸発量が多くなるため瓜類は...
冬は東北季節風が太平洋から冷たい湿気を大量に運び、花蓮に多くの雨をもたらします。夏は西南季節風が吹きますが、中央山脈にほとんど遮られるため、非常に蒸し暑くなります。気温が高いときに季節風が中央山脈を越えて花蓮に吹くと、体に炎がまつわりつくような熱風となります。これが「焚風」と呼ばれる特殊な気象現象で...