八通関古道の鹿鳴吊り橋区間は花蓮県卓渓郷に位置し、日本統治時代の八通関越道の一部でした。歩道は鹿鳴吊り橋から卓楽小学校まで片道約2時間の距離で、往復には4時間を要します。林務局によって入念に整備されたこの区間は、標識が分かりやすく、なだらかで崩壊の危険性もありません。ゆっくりくつろぎながら散策できる、別世界のような場所です。 1993年築の鹿鳴吊り橋は、全長164メートル。橋面は鋼板や木板ではなく、細長い鉄材で舗装されているため、吊り橋の上から足元の急流を目にすることができ、空中廊下を歩いているようなスリルが味わえます。また、吊り橋の上から川の両側をゆったり眺めると、また違った景色が楽しめます。4月頃にここを訪れると、山一面にアブラギリの花が咲き誇る絶景に出会えるかもしれません。