「咖啡月」は花蓮市戸政事務所の隣りに位置し、毎晩窓から温かい灯りがもれ、日本家屋の文芸的な情緒が感じられます。
オーナーの浅野さんは台南の新営で生まれ、中学の時に父親が古くから知り合いの日本人に彼を預けたことから、日本で就学、就職を経験。大学時代、同級生と台湾に遊びに行った時に花蓮に魅せられ、その後友人の紹介で、花蓮で日本語教師の仕事に就きました。
「咖啡月」の開店は、浅野さんのコーヒー好きがきっかけであるそう。彼は日本語教師時代、コーヒーを入れて学生達と一緒に飲む習慣があり、その香りと口当たりはなかなかの評判でした。その後友人たちの勧めもあってカフェをオープンすることを決め、花蓮で日本風コーヒーを届けることになりました。浅野さんの祖母の名は「月」といい、真面目で優しい祖母にちなんで、お店の名前を「咖啡月」にしました。
「咖啡月」では様々なコーヒーを販売し、空いた時間にレモンタルトやブラウニー、ベルギーワッフル等のデザートも作っています。お店には「大人への一歩」という名の飲み物があり、これはアマレットにエスプレッソを注ぎ、チョコレートを加えたもので、独特の香りを秘めた奥深い味わいが人気です。
店内には至る所に浅野さんがコレクションにしているレコードプレーヤー、レコード、旧式カメラ等のレトロな小物が置かれています。彼は、お店を始めてから、ドイツ、トルコ、ポーランド、ポルトガル等のお客も増え、日本の写真家・川島小鳥さんや、統一ライオンズの投手コーチ一色優也さんも店に訪れたことがあると教えてくれました。また、かつて著名youtuberの阿翰に日本語を教えたことがあり、咖啡月のマークは阿翰がデザインしたものだそう。
浅野さんは、花蓮の七星潭はハワイのような風情があり、鯉魚潭も遊覧やのんびり散歩するのに最適な所だと言います。また、彼は「砂婆当渓」が大のお気に入りで、空気が美味しく、川がサファイヤ色をしていて、時おり鷹や猿の群れが出没すると教えてくれました。彼は、自分が花蓮に住み続ける理由は、花蓮の素晴らしい環境と人々が素朴で温かいところにあるとし、より多くの人が花蓮を訪れ、美味しいコーヒーを飲みにきてもらえたら嬉しいと話します。
店名:咖啡月
住所:台湾花蓮県花蓮市復興街65-2号
電話:0921-196-059