国連は2015年に、17の開発目標を掲げた持続可能な開発のためのアジェンダを採択。SDGsは企業にとって重要な指標であると同時に、自治体や公民団体もその実践に取り組み、「すべての国の持続的、包摂的かつ持続可能な経済成長と、すべての人のディーセントワーク」の実現に向けて共に取り組んでいます。花蓮の地元企業も、「エネルギー・産業化とインフラ・まちづくり・海洋と海洋資源」の持続可能性を目標に工夫を凝らし、何度も訪れたい場所となっています。
文／劉俊輝
写真／編集室
持続可能性と観光の両立｜台泥DAKA園区
タロコ族語で展望を意味する「DAKA」。台泥DAKA園区は台湾セメント（台湾水泥）と和平村の新しい出発点で、蘇花バイパスから花蓮入りする際の玄関口に当たります。「和平生態港・和平発電所・和平セメント工場」が一体になったアジア初の循環経済パークで、経済部の観光工場認証を受けた初の大型工業工場でもあります。2023年からは花蓮県が長い間抱えてきたゴミ問題の処理を支援し、廃棄物を再利用した台湾初のセメント窯として、持続可能な発展に取り組んでいます。園内でひと際目を引くのが、スターバックス花蓮和平店。コンクリートの外壁とブロンズ調の金属が、美しい採光屋根と大きな窓ガラスと相まって、写真撮影に人気です。
園内の目玉の「和平花」は、日光の角度と強弱に合わせて開閉・回転する、東アジア初の大型屋外ソーラーオブジェ。観光客に憩いの場を提供し、生態・知識・文化が一つになった台泥DAKA園区にぜひお立ち寄りください。
INFO｜台泥DAKA園区
所在地：花蓮県秀林郷和平村和平263号
営業時間：終日開放
お手洗い：あり
※ガイドと講座のお問い合わせは公式サイトまで。
持続可能な農業のために｜知卡宣「種子図書館」
例年夏休みになると、知卡宣緑森林親水公園は水遊びの花蓮県民や観光客で賑わい、特に地元民にとっては夏恒例の行事となっています。敷地18haに上る園内は、季節を問わず楽しめる場所で、水遊びエリア以外にも、さまざまな植物があり、いつでも色とりどりの花が見られます。また、新しく補修されたオブジェと設備も各地からの観光客に人気。3つのテーマで構成されたインクルーシブ遊戯場は、「森」をテーマに20種類以上の遊具が設置され、親子連れにぴったりです。
遊休施設だった園内の肥料倉庫は、「種子図書館」に変身。地球の植物界のノアの方舟として、種を保存しているほか、森と植物の生態系に関する蔵書もあり、公園に環境教育の役割を与えています。花蓮県政府は展示・休憩・交流スペースが整備されたこの知的な場を利用し、不定期に特別展を開催。植物・園芸・工芸に精通した職人を招き、農村と自然にふれる癒しの体験を提供しています。
INFO｜知卡宣緑森林親水公園
所在地：花蓮県吉安郷中正路二段299号
電話：03-8233575
営業時間：08:00-17:30
お手洗い：あり
食農教育の実践の場｜花蓮農好基地
七星潭のそばにある曼波海洋生態園区は、第二次世界大戦で戦略的要衝にあったため、長い間軍の規制が敷かれ、謎のベールに包まれていました。近年花蓮県政府が改めて整備し、一般の方々も海の眺望と緑の園内を楽しめるようになりました。
軍事的な色合いが漂う園内の「花蓮農好基地」は、カラフルな迷彩が印象的。歩哨兵を連想させる四八高地戦備坑道もあり、お子様も楽しめる小さな軍事基地のような場所。県政府は「四季の食養生」をテーマに、人体の五臓に対応する五色の食材として、花蓮各地の農産品を紹介したことがあり、例えば夏には蜜香紅茶、金針花、ドラゴンフルーツ、スイカなどを展示し、食農教育を実践しています。ぜひ戦備坑道で歴史に思いを馳せ、食農教育に取り組む農好基地で、環境との共存について考えてみてください。
INFO｜曼波海洋生態園区
所在地：花蓮県新城郷華西路と花蓮市海岸路交差点
電話：03-8233575
営業時間：終日開放
お手洗い：なし
INFO｜花蓮農好基地
所在地：花蓮県新城郷華西路と花蓮市海岸路交差点
電話：03-8233575
営業時間：08:00-17:00（月曜休館）
お手洗い：あり