文旦といえば中秋節ですが、文旦の産地として台湾全土に知られる瑞穂鶴岡の「木日光文旦驛站」では、楊淑恵さん一家がアイデアで既成概念を一新。シーズンを問わず、四季を通じて文旦を堪能できます。
文/陳沉
写真/木日光文旦驛站、編集室
持続可能な経営|農家の四季の日常
「私にとって地方創生とは地域の日常であり、家族や友人に接するように、文旦を通して瑞穂のことを地域外の方々に紹介すること」と経営者の楊淑恵さんは話します。父親の代は文旦驛站を集貨場として利用し、収穫期は農産品の販売、非収穫期は果樹を栽培し、次の収穫を待つという繰り返しでした。しかし、7月と8月の台風による被害や、中秋節以降は文旦が売れなくなるなど、多くのリスクが伴いました。売れずに腐敗していく文旦を見て、楊さんは解決方法を思案。父親の応援と姉妹の努力により、ようやく今の経営形態を作り上げました。持続可能な経営を理念に、文旦を通して瑞穂農家の生活を紹介する斬新な形態は、2020年に特色農業ツアー拠点認証、今年は第1回「レジャー農業体験活動金質賞」を受賞しています。
体験ツアー|半日コース、 1日コース
半日コース:園内ガイド見学→ DIY
1日コース:(日中開催):園内ガイド見学→昼食→ DIY
(夕方開催):園内ガイド見学→ DIY →夕食→星観測
楊淑恵さんのアイデアで、園内では季節に合わせて文旦の花・果実・皮・葉を存分に活用。10~11月はおいしい文旦とジャム作り体験が楽しめます。園内では5種類以上の文旦を栽培しており、地元の温泉に浸かりながら文旦を食べるのも最高です。冬は文旦の開花に備えて、枝の剪定を体験。運が良ければ、早めの開花に出会えるかもしれません。また、油胞が星のように分布する文旦の葉を使った精油作りも。3~4月は文旦の開花期で、花見と花摘み競争のほかに、ホワイトデーの頃にはハート型の葉っぱ探し。収穫期に近い5~8月は、果実の絵付けが体験できます。
園内のガイド見学や文旦DIYなど、多様なツアーで柔軟に対応できるほか、ゆっくり楽しみたいという方には、文旦を使った昼食もおすすめ。5~7月限定で提供の夕食では、昔の農家のスタイルを受け継ぎ、広場に集まっておしゃべりしながら食事し、夜は月と星を観賞。心のこもった経営で、文旦と中秋節という従来のイメージを覆し、季節ごとの新たな可能性として、生態系観察と農作業体験を企画し、持続可能な経営に取り組んでいます。
INFO|木日光文旦驛站
所在地:花蓮県瑞穂郷北一路121号
電話:0958-266196
お手洗い:あり
※花期は3-4月、収穫期8-9月は予約不要。それ以外は電話、公式サイトで確認。