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【花蓮趣NO.42】ご当地を満喫》古き良き復興部落Dipit 持続可能な農村

  • 公開日:2022-11-30

海岸山脈の麓から太平洋を望む、景色の美しい復興部落。Dipitは部落を表すアミ族の言葉で、意味は頑強な笠貝。強い波風にも動揺せず、石の上にしっかり立てるようにという願いが込められています。やや辺ぴな場所にあり、向かうのに少し時間がかかりますが、世間から忘れ去られた桃源郷のような趣があり、訪ねた甲斐があったと感じるはずです。

 

文/林彦劭 
写真/花蓮県阿美族社区営造協会、林彦劭

 


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共栄を目指し自然と共生

若者の流出は原住民部落に共通する課題です。復興部落も同じか、より深刻かもしれません。日本統治時代後期にできたこの部落は、光復の馬太鞍と太巴塱のアミ族が水源とより良い環境を求めて、山を越えて移住してきたもの。しかし、台風などの天災で人口が流出し、かつ山間部で交通が不便なため、若者も自然と麓の村や市内へ仕事に出ていきます。こうした問題に直面しても、部落は自分の道を進み、2006年に台湾初の禁煙部落として、タバコ・お酒・ビンロウ禁止の公約を住民と交わし、習慣の改善で健康維持に取り組んでいます。また、上の世代が行ってきた農薬を使う農法を変え、エコ農法で土地との共栄と持続的な発展を目指しています。



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体験ツアー部落料理、渓流生態ガイド、藍染体験、農業体験、ガジュマル探険、古道探訪

近年は復光部落と連携する芸術祭やイベントも多く、部落創生を目指す花蓮県アミ族社区営造協会でも、棚田の再耕地化などのために、部落の力になれる若者を募集。また、大量の労働力を必要とする伝統作物の代わりに、高齢者に適した付加価値の高いローゼル、ステビア、赤キヌアを栽培し、そのティーバッグを販売しているほか、部落ツアーの藍染体験に欠かせない木藍も栽培しています。

 

復興部落が誇るきれいな大自然は、単なる謳い文句ではありません、渓流生態ガイドで実際にカニを捕って、生き物の多様性にふれたり、農業体験や原住民の古道探訪に参加したり、ガジュマルの木に登り、自然な生活を体験したりすることができます。ツアーは全部ではなく、人数と内容を段階的に調整しながら開催。その背景には、部落こそが主体であり、古き良き生活を取り戻したいという復興部落の願いがあります。

 

 INFO|復興部落Dipit
所在地:花蓮県豊濱郷復興49号
電話:0930-063985
営業時間:電話・公式サイト予約
お手洗い:あり