素晴らしい大自然に恵まれた花蓮。暖かな秋は、自転車でスローに旅するのに最適です。ひとりで南部の「富源旧鉄橋自転車道」と「玉富自転車道」に出かけ、慌しい日々の合間に、花蓮特有の文化と秋の風景を肌で感じてみてください。
文／頼朱智偉
写真／編集室
周辺の隠れスポット｜富源駅
深紅の斜め屋根、木造フェンス、石板の土台で構成された瑞穂の富源駅。利用者が多くないため、静かな雰囲気が漂い、まるで和風の駅にいるような感覚を覚えます。ここで装備を整えたら、自転車小旅行の始まりです。
最初の目的地は、地元民だけが知る「富源廟口小吃」。富源保安宮の向かいにある地味な平屋ですが、看板の海鮮ちゃんぽんを味わえば、30年も愛され続けてきた理由に納得。海鮮など具材たっぷりで、間違いなく満腹感抜群です。次に向かうのは創立60年の「瑞穂富民天主堂」。長い間修理されず、大地震にも見舞われた元の建物が、信者の努力によって再建されました。入口の見事な「最後の晩餐」の壁画と青い山脈が相まって、教会の美しさを一層際立たせています。
INFO｜富源駅
所在地：花蓮県瑞穂郷富源村富源路2号
電話：03-8811824
営業時間：06:40-21:50
お手洗い：あり
INFO｜富源廟口小吃
所在地：花蓮県瑞穂郷中正路一段243号
電話：03-8811432
営業時間：11:00-19:00（定休日はFacebookで確認）
お手洗い：あり
南へ出発｜富源旧鉄橋自転車道
駅周辺の隠れスポットを回ったら、「富源旧鉄橋自転車道」に戻って南へ出発。旧花東線の線路跡を利用した全長約10kmの自転車道で、平らで走りやすく、途中には木陰。マスクを外して森の香りを深呼吸しながら、健康で快適にサイクリングが楽しめます。列車がすぐそばを通過する区間もあり、鉄道ファンにとっては絶好の撮影スポットです。
そのまま「馬蘭鈎渓旧鉄橋」まで来たら、少し休憩。山々の中で涼しい風を浴びていると、格別な風情が感じられます。さらに約10分進むと、サイクリングステーション「瑞北鉄馬驛站」に到着。前身は瑞北駅で、旧駅舎は2003年に廃止。歴史の面影は今も残っており、古い線路とホームを眺めながら、昔に思いを馳せることができます。
INFO｜瑞北鉄馬驛站
所在地：花蓮県瑞穂郷瑞北部落連絡道路48号
営業時間：終日開放
お手洗い：あり
御皇米百年故事館に寄道｜東里駅
花蓮南端の富里郷にある「東里駅」。コンクリートの外観は遠くから見ると地味ですが、駅の階段からホームに上がると、目の前の果てしない花東縦谷の絶景に魅了されます。早春は田植えの風景、夏は青い田んぼ、秋は黄金の稲穂、冬は菜の花畑と、季節ごとに違う表情が見られ、「山線で最も美しい駅」と呼ばれるのも納得です。
駅を出た後は、上質な台湾米のことを紹介する「御皇米百年故事館」へ。前身は東里精米工場の「御皇米」で、台湾初期の農業社会、国内経済の発展、工業への転換という100年以上の歴史を経て、今では5代目まで受け継がれています。館内には土地を開拓した先人の足跡と文物が保存されており、台湾の農業発展の歩みにふれられるほか、体験活動もあり、楽しく学ぶことができます。
INFO｜東里駅
所在地：花蓮県富里郷東里村大荘路15-6号
電話：03-8861005
営業時間：08:00-20:30
お手洗い：あり
INFO｜御皇米百年文化故事館
所在地：花蓮県富里郷東里村大荘路1号
電話：03-8861171
営業時間：08:00-17:00
お手洗い：あり
山隣山林青年文旅に宿泊｜玉富自転車道
富里と玉里を結ぶ「玉富自転車道」は、旧東線の線路を改築したもの。途中には田園風景が広がり、花蓮の良さをのんびり体験するのに最適です。北上の起点はサイクリングステーションの「東里鉄馬驛站」。旧東里駅を改築した施設で、昔のホームを残したレトロな雰囲気がフォトジェニックと、インスタで話題です。
玉里駅に戻ったら、1泊して町を散策するのがおすすめ。古民家を改築したモダンでシンプルな「山隣山林青年文旅」は、玉里駅から徒歩でたった2分。この灰白色の建物の前身は、1972年開業の「新新大旅社」で、磐鈺営建機構が無印良品と連携して改築を進めました。古い痕跡を残した空間は、全体が気ままで快適な雰囲気。都会の喧騒から離れたい方は、ぜひここでのんびり町の日常を楽しんでください。
INFO｜東里鉄馬驛站
所在地：花蓮県富里郷東里村大荘路211号
電話：03-8861090
営業時間：08:00-17:00
お手洗い：あり
INFO｜山隣山林青年文旅
所在地：花蓮県玉里鎮大同路228号
電話：03-8887228
営業時間：終日開放
お手洗い：あり